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1994年度(平成6年度) | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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Academic year: 2018

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(1)

管 田呆匪ワッタ法を≡よる精密鋳造部品の新製品開発

材料開発部 吉 浦 洋 乏

要 旨

インベスメソト鋳造法(ロストワックス法ともいう)は砂型鋳造法の範ちゅうに入るが普通鋳造法と比較し、格段

と寸法精度の高い製品をつくることが可能であるため、近年急速に普及した手法である。

そこで今回は階段塾試験片を用いて肉厚感度を中心に寸法精度を検討した。その結果、球状黒鉛鋳鉄の伸尺範囲で

ある10′ /1000∼15/1000の範囲内に収縮率が緯ほった。また肉厚差によって冷却速度が異なり、黒鉛の析出及び基地組

織にも影響を与えることが解明した。

なお基礎実験を踏えて実態鋳物として、ステソレス製のど㌧叫ナス塾製品を試作Lた。

望。実験方法

(且)ロストワックス鋳造工程

ロストワックス精密鋳造法は、金型を碇用して精度の

高いワックス模型を製作するため、顔械加工による金型

の製作が最も重要な要素となる。

金型に圧入されたワックスはぅ 塾締圧力、射出圧力、

ワックス温度及びワックスの材質によって収縮及びワッ クス肌の影響は大きく異なる。従ってこれ等の諸条件を

満足する設定が必要である。更に、鋳型に用いるバイン

ダ【の種類、スタッコ材の種額及び粒度等が鋳型の強度

に影響を及ぼすため、適正なる成形条件を冠めるには、

コⅥティソダ層の回数、コーティング層の厚さ、乾燥時

問及び焼成時間等が必要条件となってくる。(囲1) 頂⊂ はじめに

ロストワックスによる精密鋳造品は、セラミックスを

用いた鋳型で強度が高く、従来の砂型鋳造法とは駁本的

に異なった手法であり、激裸加工の困難な形状及び精度

の要求される部品等は、この方法によって製作されてい

る。特に難切削材で複雑形状を集積一体化構造で製造す

ることが可能であるため、境械加工後の節減や多数個部

品を一体とした鋳造ができることによりコストダウンが

図られている。

精密鋳造品ほ鋳放Lで寸法精度が2./ノ′ 100∼5′ ′ /100に鋳造

できるといわれているが、方案から鋳込みまでの管理が

十分でないと満足な数値ほ期待できない。

その中で設計段階での検討が重要である、鋳物の形状、

方案の検討、ワックスツリーの組立(脱ロ】時を考慮:き、

更には鋳型材の選定及びその温度と湿度の関係等から膨

張、収縮を考慮した金型の設計が重要なポイソトとなる。

そのため、膨張、収縮を考慮した材質には、熱伝導性

がよく放熱性のよいアルミ材の金型模型を用い、ワック

スにも膨張、収縮の少ない材質を選定する必要がある。

更に、鋳型強度を左右するコロイダルシリカとスタッコ

材、ジルコンフラワー等の選定も重要となってくる。こ

の様な材料は恒温、恒湿の部屋でコントロ【ルする必要

があり、膨張、収縮の少ない管理をすることによって高

精度な精密鋳造品を製造することが可能となる。

そこで、精密鋳造品の寸法精度について肉厚差による

面引け及び変形を主体とLた段階型について試作し、検

討した。

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⑩ 製 「 寸法検査及び間尺検査

(2)

平成6年度 研究報告

が最も大きな要因となる。更に模型のコーティングには、

ロー一夕リ肌スラリ劇タンクにて模型の表面にコーティン

グを施し、流動床によってセラミ ックス材をサンディン

グし一定の厚みを得る。サンディングには、細粒、粗粒

の二橿頸を用いた。焼成時に於ける膨張、収縮を最′ J \に

するため、細粒から粗粒へ順次責層する必要があり、サ

ンディングの方法としてはブロワ山で粒子が浮上する流

動床を用いた。

鋳型の焼成にほ、七 昇温速度が速く、酸化性雰囲気であ

ることが条件であるため、プロパンガスを燃料とするガ

ス焼成炉を用い、約30分で1000℃まで昇温する構造を用

いた。溶解炉も1時間以内で高速溶解の出来るサイリス

タ式高周波溶解炉を用いた。鋳造後の製品清浄にはサン

ドブラストを用いて酸化物の除去、セラミックスの除去

を行える構造の機器を健用Lた。塵器の性能、特徴につ

いては衰1に示す。 ロストワックス法は一般の砂型鋳造法に比較して工程

が複雑である反面、精度が高く小物鋳造に適した方法で

ある。区ほは段階型試験片の形状について示す。 湯口

\/

こでで=ニ茅野

2U。∠もj

(Å)

目上85 14巧8014膏5

(E)

園望 階段型試験片の形状(鋳込方案と顕微鏡撮影切断箇所)

(望)実験用機器の特徴

ロストワックス法による精密鋳造では、ワックス模型

をいかに精度よく造るかが最も大きな要因であるため、

高性能な射出成形塵を必要とL、また同時に金型の精度

泰瑠 案験に偉済した機器及びその用途

擬屑機器名 ∃ 機 鞘 途

纏綿圧 5加

至射出圧力 70kg′ /cm2

ックス射出成型機

皿トリッジタイプ)

偲塾金型中へのワンクス注入

i ワックス注入温度 58∼6i bC

ワックス表面烏スラリーをコ蜘ティング

第一層 ザーンカップ 孝5 30秒

第二層 ザ劇ンカップ 彗5 15秒

ロータリースラリⅦタンク

(タンク回転機)

500感× 600圭て

迂遠回転(30回′ ノ分)

流 動 床 コンプレッサ血

及 び ブロワⅧ

ラリーコ℡ティングした上からセラミックスを数回振

かけ㍗∼8澗の積層

第一層150′ )200mes hのジルコンサンド

第二層 30∼50mes hのムライトサンド 狛摘×狛ほ

9廊′ /m主n

通気機構はセラミックス

■ ■ ヽ ヽ ▲ ▼ 1 ■

■ ̄ ̄ ̄ ̄▲■ ̄ ̄▲ ̄▲‘l 【▲  ̄ ̄▲ ▲ 、▲  ̄l 「

睨ロⅦ及び鋳型焼成(酸性雰囲気)

贋成時間 2時間 焼 成 炉

(L㌘Gガス)

60C芦冒× 500筒† × 600L

O∼10りOGCノ20mi n  ̄  ̄、 】■  ̄−丁▲ ’−  ̄

… 鋳鉄 ステンレスぅ 調等を溶解

∃(トバッチ雛=時間溶解)

高層渡溶解炉 き3〇KW′ ′ ′ hの3K㌍

(サイリスタ式) 鉄換算30短の溶解

5汀互3/′ m亘n∼ 25Gm謂Åg

噴射ノズル 感6

(エアwノズル 感3) ﹂

篭 除

、こ

一フ

サンドブラスト

(定置式)

(3)ワックス及び鋳型の成形条件

ワックスの成形には、射出温度、、射出圧力、加圧時間

等を考慮したワックス成形条件を設定する必要があり、

特に冷却時間の適正が模型の収縮に影響を及ぼすため、

表2のように′ 7∼10秒に設定した。

鋳型の成形には、使用するバインダmとしてSi O2

含有量が30%のコロイド状を使用し、粒子径も10∼20

がmの細かい微粒であることが必要条件である。このバ

インダ【材にスラリ【材として1∼2層にはジルコソ系

を、3層以降にはムライト系を混合して、初層及び積層

用のバインダ【材とした。またスタッコ材に用いられる

サソドの粒度分布及び特性値として、ジルコソ系でほ40

mes h以上を用い、ムライト系では40mes h以下を用いて

鋳型を積層し、一定の厚みとした。(蓑2)

(3)

責2 ワ・ブタ鼠成型条件

地組織のパーライトも粗大化している。

この理由として冷却速度が肉厚によって異なり、薄肉

ほど凝固速度が速く、厚肉ほど凝固速度も遅いため、黒

鉛の成長に伴って基地組織にも影響されたものと思われ

る。

(3)段階塾試験片の肉厚感度

金型に対する硯r ÅⅩ,FCD材の収縮

①展那皆塾試験片の長芋方向に対する収縮

図3は金型にワックスを注入し模型を作製した時の収

縮率とワックスにセラミックスをコーティングし、脱ろ

う後球状黒鉛鋳鉄を注入し、冷却後取り出し段階型試験

片の長芋方向から測定した結果を示したものである。 ワックスの表面にはセラミックスのスラリーが粘着し

易い様、界面活性剤を微量添加した。尚1∼2層用の粘

性として、ザーソカップ粘度計で30砂前後、3層以降は

15砂前後になるよう調整した。

更に積層工程中、一層ごとに恒温、高湿の部屋で自然

乾燥することが鋳型強度の面から重要であり、各層毎に

3時間と最終工程でほ一昼夜以上の乾燥を行った。

鋳型の最終工程として、鋳型を1000℃で3時間以上焼

成すると同時に酸化性雰囲気にして、鋳型内部が完全に

焼成し、鋳型面をポーラスにすることが重要な工程であ

る。

3【実験結果及び考察

(1)化学分析

球状黒鉛鋳鉄(FCD550)を溶解しぅ 才:[Sによる

鋳型に鋳込んでテル試験片から分析試料を採取した結果、

C:3.8%、Si ニ2。71%、Mn:0。45%、P:鉦031%、も

S:0.02%、であった。

一般的なFCD550相当の分析値である。

(2)顕傲鏡組織

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20 ∠皇0 60 80 100 120 140

肉 厚 (mm)

摂3 金型に対する騨風XをF慧Dの収縮

(階段型試験片の長芋方向き

肉厚20mmから50三nm付近までは収縮率も直線的に減

少するが50mm以上になるとほとんど減少せず、横ばい

となっている。ワックスと球状黒鉛鋳鉄の20mm肉厚で

ほ、球状黒鉛鋳鉄はワックスに対L、38%の収縮差を生

じているが、肉厚10Cm賃ユでは収縮差も若干少なくなっ

ている。

薄肉部から厚肉部になるに従って収縮率が異なる理由

として、薄肉部ほど冷却速度が速く黒鉛の成長も少なく

基地組織も緻密である。一方肉厚部では黒鉛が大きく成

長L、膨張傾向にあるため収縮率も少ないものと考えら

れる。

一般的に球状黒鉛鋳鉄の収縮は10/1000∼ユ5′ /ノ1000であ

るため、J I S精練の範囲に入ることから非常に少ない

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①肉声D部(15mmX5mm)②肉厚C部(15mmXl Omm)③肉厚f 3部(2OmmX20mm)

写真頂 階段型式読襲片の㌍緻銀縁緒(試1苺8う

写真1ほ段階型式鮫片の①薄肉部のD部(15mmX5

mm)では、黒鉛形状も小粒で粒数も多く、パーライト

はほとんど析出していないが②中間肉部のC部(15mm

Xl Omm)では黒鉛も大きく箋基地にパーライトが析出

している。また③肉厚部のB部(20mmX20mm)では、

ブル【スアイ組織となり、パーライトも多く析出してい

(4)

平成6年度 研究報告

収縮率である。

②段階塑潔泰片町厚み方向に寿す美顔凝

固4は段階塾試験片の厚み方㌢責j に対する収縮率である。

長芋方向の図とほ若干異なる点とLて∴ 5罠ぶから都

宏に蕨喜寿三蔓にノよる差をま広がる悠をに為る。

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﹁宗↓毒﹂﹁

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£セラミックス鋳型 ②多数デ召取つ製品 ⑤1屑望製品

写真選+宴怒鋳物(至尊意ッ雷講読堅と各藩凛

写真1ほ脱ろう後のセラミックス鋳塑(多数傾取り)

∴て■ こ

写真2ほ多数慣取り方泰によると㌧−ナス像の製品であ

る。形状からヒケ防止及びワックスの変形防止も考慮し

て上腕部、腰部、足部の3ヵ所から堰を設けて鋳造した。

なお、ビ岬ナス像の頭部及び腕部を下向きにL、足部

を上面にして左右に各3俸の計6体を設置し、ノロかみ、

アカの混入を防止した方案で鋳造Lた。

その結果。了 ヒケの発生もなく健全な鋳物を製作するこ

とができた。

写真③は1個取り方案である。多数個取りと同様に3ヵ

所に堰を設置し、垂平方向から鋳込んだ状況である。製

品重量は285gであるが湯口も 海道、堰を含め1580gで

あり、歩留りは約20%であった。

鋳物製品としては鋳肌の状況も良好でヒケも認められ

ず寸法精度も精練であることから、健全な鋳物を製作す

ることができた。

博一互町弓㌦軸 ㌦一触城山

一叫肌mmmMm御一一一尺Vワ)〆氾㍊r 一コ=∵一皿Ⅷm ⑳ぱエ

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宍j 厚 :mm)

烈各 会型に葉音する鮮魚詫診F農Dめ収縮

(階段塾試験片の厚教義向)

20m.mの場所を囲3と比較すると収縮率は同一傾向に ある。しかし薄肉部における収縮率が小さくなっている のは測定による誤差と考えられるが収縮率からはJ 耳S

の精練の範繹内に入るものと考えられる。

(4)実態鋳物(ビmナス塾鋳物)

写真2は実態鋳物のSUS304系材料の暮緻鏡組織で

ある。

㌻∴澱詳隼ツ∫

ノ㍉

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∴ ぎ﹀ナも

射】患と鋸

(旦)顕微鏡組織窮察

球状黒鉛鋳鉄(FCこき55網目当)製段階型試験片によ

る顧緻鏡組織写真①は15三nm〉く5mmの薄肉部であるた

めに冷却速度が速く、黒鉛形状が細かくて粒数も多い。

②から③へと肉厚が厚くなるに従ってパーライトが多く

析出し、黒鉛粒数も少なくなり粒状も大きくなっている

のは冷却速度に起因する。

(2)段階型試験片の肉厚感度

①長芋方向からみた収縮率

ワックスと球状黒鉛鋳鉄との比較でほ、薄肉部ほど収

縮率が大きく厚内部ではその差が小さくなっている。ま

−141−

㌔〆

\㌔

、琴

〆忘

㌍絆

SUS304(×100)

写真冨 業態茎寿物の顕緻窺組織

写真3は基礎実験の結果を跨えてセラミックス鋳型を

作製し、多数個取り及び1個取りについてSUS304系

(5)

た20三nmから50mmまでほ直線的に収縮率が低下し、そ

の後ほ平行状態となる。J ‡ Sの規定からは精緻の上位

となり寸法精度が高いのは鋳型強度が高いことと、∴高温

鋳型(1000℃)であることから押湯の効果が高いことが

要因と考えられる。

②厚み方向からみた収縮率

階段塾試験片の5mmから20mmまでの厚み方向から

みた収縮率では、長さ方向とほ異なりワックスとFCD

との差は開く方向にある。またFCDは10mm以降の厚

(3)実態鋳物への応用

多数個取りのツリーによるステソレス製ビ阿ナス製品

でほ頭部及び腕の上部を下向きに、足部を上向きにし湯

道への堰は足部、渡部う腕部のそれぞれ3ヶ所にセット

Lて鋳込む方案が良好である。

又、勺1ケ取りでほ、多数個取りと同様な方案でも長い

が読込め方案でも良好な結果が得られた。

参考変態

みほ変化しないのに対し、WÅⅩでは収縮率が下ってい 1)吉浦 洋之:昭和62年度、大分県工業試験場 研究

るのほ測定誤差も考えられるが、厚み方向に対する鋳型 報告

参照

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